MASTER SYSTEM / Power Base

これが海外版のMASTER SYSTEMです。これはSEGA OF AMERICAが北米でリリースした初めてのゲーム機になります。

外観は見てのとおり、ほとんど日本版と同一。(正確には日本版がこの海外版に似ていると言うべきですが。日本版マスターシステムはこの海外版を日本向けにアレンジした製品で、発売も日本版マスターシステムの方が後です。)

日本版との主な違いとしては、
1:FM音源を搭載していない
2:3Dグラス端子が無い
3:連射機能が無い
4:カートリッジのコネクタ形状が違う

という点が挙げられます。マスターシステムは北米以外にもヨーロッパ各国、オーストラリアなどの世界各地で発売されましたが、残念ながらFM音源がリリースされたのは日本国内のみでした。海外版に後からFM音源を拡張するのは難しいので、MARK III用にFM音源が追加できるのは非常に特殊な製品であったと言えます。

3Dグラスは海外でもリリースされましたし日本未発売のソフトもありますが、3D端子は無いのでMARK IIIに接続する場合と同様にカード端子を使って接続することになります。3-D GLASSESの文字表示部分はCARD INPUTになっています。

連射機能もありません。なおRAPID FIRE UNITは発売されました。RAPIDボタンのところはRESETボタンとなっており、単にリセットするだけの機能です。メモリーバックアップ対応のソフトは「RESETを押しながら電源を切る」ができて良いかもしれません。

またユーザーとして最も大きな相違点はソフトのカートリッジのコネクタ形状が違うということです。メガドライブとGENESIS(北米版メガドラ)の場合もそのままでは相互に使用できないようになっていますが、マスターシステムの場合はもっと徹底しており、本体と接続するコネクタ部分の形状が完全に異なっていて使いまわしができません。またカードスロット(海外でも初期にはマイカード[北米名はSEGA CARD]が発売されていました)もあり、形状は同じですが日本のソフトは動かないようになっています。

裏面はこんな感じです。その他の違いとしては、RF出力のコネクタがありチャンネル設定がCH3/4になっているとか、裏の銘盤がSEGA OF AMERICAになっている(当たり前)などの違いもあります。表面の機器名表示も「MASTER SYSTEM / Power Base」と表記されています。マスターシステムという英語ではありきたりな名称よりも、「Power Base」という呼称の方が一般的のようです。

また逆に共通点としては、メガドラやGENESISのパッドやACアダプタやビデオケーブルが使用できます。もちろん日本版と海外版マスターシステムのそれらも相互に使えます。

パッケージは光線銃と対応ソフトが同梱のタイプ(上のもの)の他にコントローラのみのペースセットや、3Dグラスと光線銃が同梱になった完全セットなど数種類が発売されていました。また同梱ソフトも上のものはHANG ON&SAFARI HUNT(光線銃ソフト)ですが他にもいろいろあります。

 

   

なお起動時の画面は国内版と異なり、まず最初にSEGAのテーマ音(ソニックの起動時の音をPSG和音で表現したもの、書けば分かるでしょうか?「せ〜が〜」です)と共にロゴが表示され、続いてMASTER SYSTEMの文字ととコピーライト表示があり、カートリッジが正しく本体に差し込まれていればそのソフトが起動し、何もなければ右上のインストラクション表示がでます。日本版はBIOSのバージョンが2.1でしたがこれは1.3のようです。ここには画像がありませんが、カートリッジがうまくささっていないとエラー表示までされる親切設計です。

さらに右上の画面の時にレバー上+両ボタンで、右から隠しゲーム(!)が現れます。単純な迷路脱出ゲームですがBGMもあって残タイムが次面に繰越するなど、それなりに凝っています。なお、後期モデルの本体ではソフトを何もさしていない状態で電源を入れると本体内蔵のゲーム(アレックスキッドやソニック)が遊べるようになりました。隠しゲームも健在です。