MASTER SYSTEM II / Power Base

これがMASTER SYSTEM IIです。これはヨーロッパで発売されたPAL版(北米版はポーズボタンが白)です。PALとはテレビの放送方式の名前の1つです。日本、北米、韓国はNTSC、ヨーロッパや南米はPAL、フランスや東欧はSECAMという方式を採用しています。PAL方式とNTSC方式は相違があるので、日本のTVではPAL版の本体の画像は見れません。もっとも、今ではユニバーサルビデオやテレビが安価で入手できます。

SEGAは北米市場においてマスターシステムの権利を一旦他社に売却していますが、GENESISを発売後に再度権利を取得して発売したリニューアルモデルがこのMASTER SYSTEM IIです。この頃はGENESIS用にもPOWER BASE CONVERTERを発売していました。1990年頃のことです。

外観では大きなポーズボタンが目立ちます。なおカードソフトは初期を除き海外でも発売されていなかったため、コストダウンもあってカードスロットは省略されました。海外モデルでは3Dグラス端子は最初から無いので、この2では3Dグラスを使用することはできません。海外の3Dゲームの大半に2Dモードが標準装備されているのはそういった経緯もあるようです。

その後、特に北米ではGENESISは大ヒットゲーム機となりSEGAは大変潤いましたが、それに伴い旧機種のマスターシステムの製造は終了しました。それが1992年頃のことです。

一方、PAL地域であるヨーロッパではMEGA DRIVEも発売されていましたが、旧来からのマスターシステムはソフトの豊富さもあってそこそこ人気がありました。海外版ファミコンNESやスーファミSNESももちろん発売されていましたが、マスターシステムも健闘しており西欧はマスターシステムにとっては最も人気があり長続きした市場であったと言えます。また、ヨーロッパ市場にはかつて認めていなかったサードパーティの参入を認めたため、PAL版のみ発売されたソフトも多数存在します。ヨーロッパでは1994年頃まで本体は製造されました。
(なお当時はまだSEGA OF EUROPEが存在しなかったので、各国ごとに提携の販売会社があったようです。例えば英国ならVirginグループ)

 

使用時は中央の半透明の部分を開いてカートリッジを差します。新旧のMASTER SYSTEMを比較すると角張った印象の強い初代と比較して、滑らかな凹凸を持つフォルムが柔らかなイメージを与えるIIの方が個人的には好きです。

なお、ゲームギアはマスターシステム上位互換のため、海外でマスターシステム用として発売したソフトは、国内ではゲームギア用として発売されたものもいくつかあります。旧機種を見捨てるのが早い?セガが国内で1995年頃までゲームギアのソフトを発売していたのは、海外と国内の両方の市場があったからというのも大きな理由のひとつです。なにせ1995年というのは国内ではプレイステーションやサターンが発売された年ですからね。よくがんばってくれたと誉めたい。。。

 

ちなみに本体にカートリッジを差さずに電源を入れると内蔵しているゲーム「Alex Kidd in Miracle Workd」が遊べます。

パッケージに印刷されているゲーム画面は(左上から)Moonwalker、Micky Mouse、California Games、Double Dragon、Columns、Chase H.Q./World Cup Italia '90、Golden Axe、Golfmania、Dick Tracy、Super Monaco G.P.、Shinobi/E-SWAT、Ghouls'n Ghosts、Wonderboy III、R-Type。海外ソフト(特にPAL版のみ発売のもの)は良作揃いですので、機会があったらぜひプレイしてみて下さい。