MASTER SYSTEM / Power Base
これがMASTER SYSTEMの内部です。外観と同じく内部もほとんど国内版マスターシステムと同じことが分かります。
中央上段に縦に配置されているのがCPUのNEC D780C-1。右下にメインメモリ用SRAM、BIOS用のROM、左下にカスタムチップ、その下のもカスタムチップ。1つは放熱板の下で見えませんが他にVRAM用のSRAMチップが2個あります。
注目すべき点は左上のA/V出力コネクタ近くのチップです。表面にはSONY 6S85 (C)アスキー V7040の表示があります。詳細は分かりませんがおそらくRGB→NTSC/PALコンバータと予想されます。「アスキー」とカナ表記されているのとV7xxxの型番であることからMSX用に開発されたチップかもしれません。
基板の中央にはNTSC/PALを切り替えるジャンパがあり、ここにスイッチを付ければ内部の処理ではNTSC/PALモードを自由に切り替えられます。これはPALモードでないと正しく動作しないソフトに対処するには便利です。しかもNTSC/PALコンバータチップに外部接続されたオシレータの周波数は当然ながら変わらないので、内部処理はPALモードのまま信号出力はNTSCに準拠するようになり、NTSC用テレビなどで垂直同期等を調整するだけで画像も見ることができます。
基板上には右下に「MSPOWER BASE/NTSC」、左下には「SEGA MADE IN JAPAN 1986」の表示があり、さらにその下には
61.9.25のゴム印がありました。基板の製造は全て日本国内で行っていたので昭和61年9月に製造したことを意味しているようです。
何故、元号で表記しているのかは謎です。。。
裏の銘板表示ではMODEL #3010、シリアルナンバーは3651xxxxで、MADE IN TAIWANです。
上の画像は同じ北米版のMASTER
SYSTEMですが、若干新しいもの。違いはCPUがZilog社の純正品Z80になっていることです。またNTSCコンバータはSONY
CXK3864 (C)アスキー V7040の表記でした。
基盤面の左下には SEGA(R) 1986 MS POWER BASE/NTSC
の表示があり、ゴム印は右下に 4 SEP 1987とありますので先ほどのものの約1年後に製造されたようです。ちなみに銘板はMODEL
#3000、シリアルナンバーは7712xxxxでMADE IN HONG KONGでした。
画像はありませんが、さらに新しいものではゲームが内蔵になります。基板上の違いはBIOS用のROMチップがセガカスタムになったことと、NTSCコンバータがCXA1145に変わったことです。基板面の表記はSEGA (R) M4 POWERBASE / NTSCでゴム印は19 AUG 1988でした。M4の表示があることから、このモデルが日本のマスターシステムのベースとなったようです。
基板中央部にあるNTSC/PAL切替ジャンパ。裏面でジャンパカットしてスイッチを付けると両対応になります。
PAL版も基板はほとんど同じです。左下の表記はM4 POWER BASE / PALになっています。